2014年8月29日金曜日

~小学校入試にでる生き物~

・・・・今回のコラムは、桐杏学園本部からです。・・・・・・・・・

夏休みの夕方、地下鉄のホームで捕虫網と虫かごを持った母子を見かけました。4~5歳と思われる女の子が肩から提げた虫かごの中にはアブラゼミとカナブンが入っていました。

ペーパー試験対策で昆虫や生きものに関する知識は、お父様にまかされることが多いようですが、都会の片隅で頑張っているお母様もいらっしゃるようです。今回は小学校受験に出る生物問題についてお話ししておこうと思います。

一番よく出題される生物は?
首都圏と関西圏65校の平成26年度入試統計では、1位はヒマワリ、2位はカブトムシとセミ、サクラとチューリップとスイカとアゲハ(チョウ)が同率の3位。そして次点は子ども達に人気のダンゴムシという結果でした。

何が問われるのか?
ヒマワリは夏の花という知識ですみますが、モンシロチョウとアゲハは区別しておく必要があります。また、花火やお月見といった季節行事と併せて理解しておくことが大切です。出題内容別に集計すると、季節を問う問題が28.6%、種か球根かとか卵や幼虫の形など成長の仕方を問う問題が18%、仲間分けに関する問題が15.5%となりました。立教女学院のようにコウモリやクジラは哺乳類といった生物学的な分類の知識からカブトムシやダンゴムシを捕まえるにはどこに行けばよいのかといった生態に関する問題まで幅広く問う学校もあります。

観察力
観察して描くという、さとえ小のような出題も見のがせません。昨年はピーマンの断面をみながら描くという出題がありました。一昨年はトマトの断面。さらに「すっぱいもの」を描く、教室にある「重いと思うもの」を描く、知っているいろいろな形の「葉っぱ」を描くなど理科的な視点からのユニークな絵画作成問題もありました。
早稲田実業初等部でも、写真を見ながら粘土でカエルを作る、トラの写真を見ながら絵を描くといった出題例があります。慶應幼稚舎では、一昨年に鳴く虫の声・イヌの吠える声などを聞いて絵を描いて説明させる、昨年に「役に立つ生き物」という課題で絵を描くという出題がありました。盲導犬や災害時の救助犬、警察犬のことも一緒にニュースをみる機会に話題にしておくとよいでしょう。

小学校入試は柿や栗が美味しい実りの秋にピークを迎え、山茶花や椿の花の咲く頃には一段落します。そして菜の花と桜が咲く頃に、大きなランドセルを背負った満面の笑顔があふれます。