2013年12月29日日曜日

2014年度 国立小入試を振り返って(筑波大附属小学校 入試内容編)


今回のリレーコラムは桐杏学園西日暮里校からです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ようやく今年の受験が終わりました。今年の西日暮里校の受験は、9月下旬の埼玉県から始まりましたので、約3か月間、ハラハラドキドキの連続でした。しかし、来年の4月から、笑顔で制服を着て小学校に通えるとの吉報を続々といただき、大変嬉しい年末となりました。この場をお借りして、保護者の皆様に、合格おめでとうございます、そして、最後まで桐杏学園にお通いいただきありがとうございました、と申し上げたいです。

毎年、多くの国立小志願の方が桐杏学園をご利用されます。今年、一番注目されていたのは、筑波大附属小学校の定員削減についてではないかと思います。毎年、募集定員男女各80名のところ、今年度より各64名となるため、高倍率が予想されていました。来春から1クラス32名編成となり、入学時に支払う保護者会費なども78,000円高くなると在校生に説明があったと聞いております。しかし、実際の出願数は昨年通り4,000人余りで、筑波人気は衰えず、第一次選考(抽選)は、男子44%、女子52%の通過率で、昨年より若干下回りましたが、受験者数にはあまり影響がありませんでした。しかし第二次選考(検査)では、今まで男女各130名の合格だったところ、今年は男女各100名の合格となり、グループによって差はありますが、約7~9倍の倍率となり、かなりの激戦となりました。

これまでは抽選を通過してからの追い込み学習でも間に合っていた受験生もいましたが、今年の合格者の顔ぶれを見ると、そんな生易しいことでは、太刀打ちできないのではと思わせる結果となっております。

筑波は、ここ数年変わらない入試が続いておりましたが、今年は変更点がいくつかありました。
まず、検査は1時間ほどと手紙に記載されており、実際、保護者から離れ戻ってくるまでが1時間ほどでした。正味45~50分位の試験時間になったため、短時間での処理能力が求められ,ます。そのため、制作では、紙皿、紙コップ、シールなどを使用した立体制作から画用紙等使用する平面制作に簡略化され、制限時間も短くなりました。
  

また、今まで「結ぶ」は、制作の場面でしか出題されていませんでしたが、体操時、待つための椅子に縄がかけてあり、それを結び指示されたところに置くという試験内容が加わりました。制作で結ぶことはできても縄跳びの際、縄結びができない子どもが多くいたのでは?と推測します。

このような入試内容の変更に強いのは、やはりある程度じっくり時間をかけいろいろな準備をしてきた、私立小受験経験者だったのではないでしょうか・・・。この頃になるとかなり精神的にもたくましくなってきておりますので、多少の変更には動じず対応できる力が備わっていたと思います。

家庭で問題集を購入し過去問をこなすことはできても、集団の中で自分の力を発揮するという経験は教室でないとなかなかできません。様々な経験を通し、精神的な成長がないと合格を勝ち取ることは困難なのではないでしょうか。

筑波に限らず、付け焼き刃の準備では間に合わないと小学校受験を経験された保護者の皆様はおっしゃいます。また、どの小学校でも入試傾向の変更はありえます。過去の出題例での練習だけで安心せず、幅広く多くの経験をさせ準備することをお勧めします。


【男子Bグループ制作の例】
受験生のお母様が復元してくださいました。
 

2013年12月10日火曜日

2014年 立教小入試を振り返って

今回のリレーコラムは桐杏学園朝霞台校からです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

朝霞台校から1つお隣の駅の志木駅から歩くこと数分のところに立教新座中学高校があります。12月の今ごろに夕焼けとこれからの夜の訪れを告げるような時間に校舎近くを歩いたことがあります。キリスト教教育の学校らしく美しく厳かな雰囲気に包まれていたことを憶えています。

今回のコラムでは、同じ立教でも池袋にある立教小学校の今年度の入学試験を振り返りたいと思います。

今年度も、入試日は11月1日と2日の2日間でした。4月生まれの男子から実施されました。以前には1日目に取り組んだ課題を2日目にも引き続き問われることもありましたが、近年は1日目と2日目はそれぞれの独立した課題になっており、今年もそうでした。

面接は入試日前の10月中旬~下旬にかけて、4月生まれのお子様のご両親から始まります。当日校内で渡される面接前アンケート用紙に、ご両親のお名前・ご家族のこと・立教小へ期待されること・子育てで気をつけていること等を、記入し面接に臨みます。今年度の面接では、幼児教室はどちらに行かれていますかという質問項目があったそうです。気分を落ち着かせるため、早めに到着されることをお勧めいたします。

お子様の試験日前にご両親が先生方とお会いすることは、大変緊張します。桐杏学園でも、教室のベテランスタッフが、面接日前に、面接練習を繰り返し行って、入学したいお気持ちが、学校に上手に伝わる様アドヴァイスしたり、専門の面接担当を呼んで実戦さながらの模擬面接会を行う等、できる限りの対応をしています。

お子様への入試課題をご紹介しましょう。

◇1日目
取り扱われた絵本は「ライオンをかくすには」「おちゃのじかんにきたとら」「ごきげんならいおん」の3冊でした。絵本をスクリーンで鑑賞した後に、口頭での質問に答えます。お話しの内容を正確に、さらに碁石を置いたり指をさしたりと指示通りの答え方をする形式です。
また、お子様らしく心躍らせ絵本の世界へ旅ながらも、場面ごとに「自分だったら・・・」と思考することが求められます。そして、周りの方々の気持ちも推し量れるようになってほしいものです。絵本に親しむ際に、そのような点も意識されるとよいでしょう。



◇2日目
 知覚と数量の問題が出ました。問題例を2つ、ご紹介しておきます。
① 動物・花・果物がそれぞれ上下左右に進む約束(ルール)を聞いて、マス目の進み方を考えて答えていく問題。「どのお約束にしたら、この場所に到着することができるでしょうか」という様な質問をされたようです。一度聞いたルールーをすぐに理解して考える力が求められます。

② オセロをお金に、積木をキャラメルに見立ててお買い物をする課題。「白・黒・白とお金を持っていました。キャラメルをいくつ買うことができましたか」などの質問をされたそうです。ここでも与えられた条件で何ができるのか判断する力が求められます。お買い物など日常の場面で、千円札1枚と五百円硬貨1枚でいくつ買うことができるかしらなどと親子で一緒に考えてみるのもよいでしょう。

他にも、2日目には運動と表現の問題が出ました。かけっこや♪ドレミの歌を歌いましょう、♪さんぽの歌を聴いて自由に踊りましょうといった3つ課題に取り組みました。



今年の試験を振り返ってみましたが、ご家庭でお子様と向き合って毎日を大事に過ごしていくことが改めて入試の準備にもなることを実感いたします。桐杏学園幼児教室では、7月迄、さまざまな経験を通して思考していき、引出を増やすことができる様、学園生として学んでいきます。

立教小はノンペーパーだからペーパー練習はあまりしないという話がありますが、やはりペーパーも含めた総合的な学習で思考力を伸ばしていきたいと思います。
「立教小の入試では、ペーパーは出題されていないようですが、合格を頂いて考えたことは、ペーパーで学んでいくことも考える基礎作りに役立つので入試前までペーパーもしっかり続けていました。」これは桐杏学園から立教に合格されたお母様のご感想です。

立教小の合格へ導くためには、ぺーパー・ノンペーパーも問わず、多くの学びを通して総合的な力を身につけましょう






2013年12月5日木曜日

開智学園小の入試と新設開智学園望小について


今回のリレーコラムは桐杏学園草加校からです。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

埼玉県草加市草加駅前にある桐杏学園草加校は、そのアクセスの良さから埼玉県はもとより東京、千葉、茨城の小学校が受験可能です。嬉しいことです。そして今年も多くの子どもたちが志望校に向けて精一杯頑張り、合格のご褒美を頂きました。「小さな君たち本当によく頑張ったね!」と拍手を贈りたいです。

なかでも、さいたま市岩槻区にある「開智小学校」と さいたま市北区にある「さとえ学園小学校」の入試結果には目を見張るものがありました。開智小学校は、3次を残して25名合格。さとえ学園小学校は、3次迄で、13名合格と、皆さん良く頑張りました。そのほとんどが草加校からの結果でしたが、入試を終えても尚、小学入学準備の勉強に余念がありません。これからも、みんな頑張ろうね!

両校とも学校の良さを十分に理解して頂くための説明会を4~5回開催され、さらに学校見学会、運動会や発表会(参加型)も実施しています。「本当に我が校を納得して受験してほしい」という「思い」を強く感じます。そして、その思いをしっかり受け止めて受験されたご家庭がご縁を頂けたようです。面接テストでもそのことをしっかり訊かれていました。

さて、今回のコラムでは、開智小学校に絞って書いてみようと思います。

開智学園小学校の特色は何と言っても『4・4・4制の12年一貫教育』です。体験から学ぶプライマリー(小1~小4)、幅広く学ぶセカンダリー(小5~中2)、深く学ぶターシャリー(中3~高3)と発達段階に応じた4年ごとのステージに分けて指導します。また社会の基本的な集団に近い状態で、社会の縮図としての人間関係を学ぶことができる『異学年齢学級』、主体的に学び、学び方を学習する『パーソナルの授業』、教科ごとに最適なグループに所属し能力・個性を最大限に引き出すことができる『習熟度別学習』があります。他の学校にはない本当にユニークな特色ですね。

そして入試方法ですが、開智第一志望者と一般(併願)志望者の内容は少し違います。作業(絵画制作)、行動観察、運動は共通ですが、第一志望者には事前に面接が行われ、ペーパーAまたはペーパーB・自己発信の選択ができます。一般志望者は当日面接でペーパーAのみとなり、従ってペーパーでの高得点を望まれます。

是非とも開智小学校をとお考えの場合は、やはりその特徴であるペーパーB(情報処理、数量処理、図形感覚の問題)と自己発信(芸術・学術・スポーツの分野で特技を自己申告で行い他の試験では測れない子どもの能力を観る)での受験をお勧めします。
今年の入試内容は下記の通りでした。

ペーパーA:日常生活の中の知識、ことば・しりとり、数の概念・操作、(約15ページ)

ペーパーB:情報処理と数量処理、図形感覚(約13ページ)
どちらも問題量が多いので、指示を正確に聞き取る「良い耳」と的確に処理する「敏捷性」を要します。……と申しますと、とても大変そうですが、開智の問題はやっていくうちにゲーム感覚のように楽しくなる問題でもあるのです。入試を終えた子ども達も「なんだかタコとか魚とかがいっぱい出てきて変な問題だったけど、だんだん面白くなってたくさん解けたよ」と得意気でした。

運動は、連続運動で平均台(障害物有り)・鉄棒(タイム有り)・両足ジャンプ(ジグザグサークル)・ボール(投げ上げキャッチ)・熊歩き(手は床、足は平均台に掛けて)。それぞれ様々な指示が有り、しっかり指示を聞いていないとできないものでした。(1回練習有り)

絵画制作は「秋の風景」がテーマで折り紙の切り貼りでした。季節の花や葉、果物や野菜、行事を理解できていた受験生は嬉々として秋を存分に表現できたようです。


行動観察(集団テスト)は10人ずつのグループで、「自分たちの『秘密基地』を作ろう」でした。たくさんの段ボールや大きな積み木、色のついた板や筒状の容器を材料に、ガムテープやはさみを使って完成させたそうです。「暖炉を作ったり、椅子やテーブルを作って食事ができるようにしたり、ベッドをたくさん作ってみんなが休めるようにしたんだよ」と話してくれました。しかしながら、あるグループの男子数名が楽しさを通り過ぎておふざけになってしまい秘密基地をグシャグシャにしてしまったそうです。結果はもうお分かりですよね。今まで一生懸命やってきたことの結果がこれでは悲しいですね。行動観察では目的に向かってみんなが力を合わせて工夫して作業し完成させるプロセスと個人のかかわり方を観ています。


小学校入試は、机の上だけがお勉強の場ではありません。春夏秋冬の季節の変化を感じながら、朝起きて顔を洗って、お着替えしてご飯を食べて幼稚園へ行って…。この当たり前の生活の中で、見たり聞いたり触ったり味わったり行動したりしてみてください。色々なことが発見でき学習できると思いますよ。そして、不安なことがありましたら、どうぞ桐杏学園をお訪ね下さい。全力で応援致します。埼玉県の入試まであと10か月となりました。一緒にがんばりましょう!


最後にもう一つ、「開智望(かいちのぞみ)小学校」(仮称)の設置が県から正式認可され、茨城県守谷市とつくばみらい市の境に開校予定です。小・中・高の12年間を5-5-2に分けた完全小中高一貫教育を行います。定員は各学年120名ですが、初年度は新1年生と新2年生のみ、各96名の募集を予定しているとのことです。

つくばエクスプレスにより、アクセスがよくなり、小学校も続々とでき、選択肢が広がってきました。さあ、目指す学校目指して共に頑張りましょう!