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タカシ君(仮名)は、スキップがまだできませんでした。
体操の空き時間に…
先生 :「先生と練習しましょうね!」
タカシ君 :「ハーイ!」
向き合って両手をつなぎ、先生が後ろ向きで、
右足1、2、左足1、2、と2歩ずつケンケンの練習を数分楽しんで、
「またやろうね。」とその日は終えました。
次の週、お母様からタカシ君を預かり、授業が始まるまでのわずかな時間に
タカシ君 :「先生!スキップができるようになったよ。みて!みて!」
まだまだ軽やかなリズムではないものの、確かにスキップになっていました。
先生 :「おおォ~!すごい!どうしたの?練習したの?」
タカシ君 :「うん。一人で、1、2、1、2って練習したらできるようになったよ。
すごいでしょう。」
と、得意げな表情です。
先生 :「一緒にやってもいい?」
タカシ君 :「いいよー!」
先週は、向き合って練習しましたが、
今日は横に並んで、タカシ君の右手と先生の左手をしっかりつなぎ
スキップしてみました。
いつもは、廊下は走らない約束になっていますが、
今日は特別。
ずっとやり続けたい気持ちもあったのですが、
先生の息が切れてしまい、敢え無く終了。
その日の帰りがけにお母さんに見せてあげようと言うと
タカシ君 :「ヤダ!だってお母さん、すぐ笑うから。」
子どもにとって、お母様の笑顔は最高のご褒美のはず。
確かに笑顔には照れ隠しや、苦笑い等もあり、笑ってごまかし、それで済ませてしまう事も時としてあります。
子どもは、親(大人)の目を良く見ており、その笑顔の瞬間で好意的かどうかを感じるものだと思います。
先生 :「今日来た時、タカシ君のスキップを見てビックリして、
それからすっごく嬉しい気持ちになったから、先生が見せたいんだけどなァ…。」
タカシ君 :「じゃあいいよ。」
タカシ君のスキップを見たお母さんは、正真正銘、金メダル級の満面の笑顔で喜び
思わず、久しぶりに抱っこをしてしまいました。
その親子の瞳には、幸せがあふれだし、子どもの繊細な心に気づかされたひと時でした。